こんにちは、Naokoといいます。
映像制作朝顔に所属する、プロのイラストレーター・アニメーター・映像クリエイターです。

今回は、初心者でもできる「太陽が沈みかけの、夕焼けでオレンジに染まった入道雲」の描き方のコツを紹介しようと思います。この記事はTwitterに投稿した画像ツイートのより詳しいバージョンです。

「画像を見るだけではわからない…」という方には、ぜひオススメです!
背景美術によく使われる厚塗りという塗り方を使って描いていきます。

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目次

  1. 完成イラストはこちら
  2. アウトラインと影を決める
  3. 色を決める
  4. 夕方の場合の描き込み方 光源を意識する
  5. これをやるだけでそれっぽい! 仕上げの一手間テクニック
  6. まとめ

①完成イラストはこちら

完成イラストはこちらです。この絵は今制作しているイラストの背景の一部に使用しています。イラスト全体と合わせるために、影が若干斜めにつけたり、中間色の部分を多く取ったり等の調整をしています。

②アウトラインと影を決める

まず何より大切なのが、線画を描くことです。

厚塗りの背景だからと、最初からブラシで描き始める方もいるとは思いますが、なぜそれではいけないのでしょうか?

それは、描くときの「判断基準」が明確ではないからです。

絵を描く=判断する

絵を描くということは判断の連続です。
「ここには線がいいのか、色がいいのか」「ここは描き込んでいいのか、余白のほうがいいのか」などなど、絵を描いている中でたくさんの判断ポイント(分岐点)があります。

私は「絵が上手い人」というのは、「絵を描く中で多くある分岐点を瞬時に処理し、適切に判断していける人」だと認識しています。

アニメのような背景イラストを描く場合、完成形に線画がないことがほとんどですが、最初から線画なしでできるのは、アウトラインを脳内で想定しつつ描いていける人だけです。

そのため、まずはアウトラインを決めて、
・どこが盛り上がっていてどこが影になっているのか
・光が最も当たりやすいところ、そうでないところはどこか
などを想像しやすくすることが何より大切です。

※アウトラインを描かないのも一つのやり方です。今回は初心者向けの記事のため、このように書いています。「このやり方以外はダメだ」ということではありませんし、もし他にいいやりかたがあればぜひ教えてください!

実際のアウトラインの描き方

画像にもあるように、雲は塊(球)の集合体だと考えるとやりやすいです。

この段階では、影の付け方は光源を大体意識できていれば大丈夫です。
描き込む際の光の加減に力を割り振るとよいと思います。

③色を決める

次に大切なのが配色です。
見栄えのいいイラストというのは、ほとんどが色で決まっています。

特に雲は複雑な構造をしていて、色で凹凸を表現する題材のため、描き始める前に大まかにパレットを決めておくのをオススメします。

今回描くのは夕方の雲のため、オレンジ+青っぽい灰色という組み合わせにしました。

別の色で描く場合などは、雲の写真の色合いなどを参考にするのが一番手っ取り早くて良いのではないかなと思います。

リアル寄りのイラストにしたい場合は、彩度はなるべく下げ、光が当たっている部分だけ彩度を高めにするとよいかと思います。

上の画像に載っているパレットの使用は自由ですので、手っ取り早く描きたい方は上のパレットを使ってみてください。

これはあくまで配色の一例のため、色々自分に合うやり方を試してみてくださいね。

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④夕方の場合の描き込み方 光源を意識する

雲の場合は固有色が少ないため、ほとんど太陽の光の色とその影という描き込み方になります。そのため、太陽という光源をどれだけ意識できるかがポイントになります。

今回描くのは夕方の入道雲のため、太陽は沈みかけており、ほぼ真横から光が当たっているという光源設定となっています。

以下の画像の④にもあるように、「塊の中央に光が当たる」というイメージで、写真等も参考にしながら描いてみるとよいかと思います。

影をつける際、光と影はセットで描写します。
明るいところがあれば隣に暗いところを描き、暗いところがあれば隣に明るいところを描きます。

これはキャラクターイラストなど、あらゆる種類のイラストに通じる黄金ルールですので、気になる方はやってみるとよいかと思います!

⑤これをやるだけでそれっぽい! プロが使う仕上げの一手間テクニック

今回描いているのは入道雲一つをメインモチーフにしたイラストですが、実際には入道雲だけを描くことは珍しいのではないでしょうか。

たとえば、「入道雲を見上げる女の子の絵が描きたい」「海辺で遊ぶ人物たちの背景に入道雲を描きたい」など、入道雲がメインになることはあまり多くないのではと思います。
実際、私がこの入道雲を描いたのも、イラストの背景として使いたかったからです。

実践の場で背景と馴染ませるためには、また別のテクニックが必要になります。

馴染ませテクニック① 手前と奥に雲を描く

最も手軽なのが、手前や奥に雲を置いて遠近感を出すことです。これにより、入道雲の主役感や孤立感が薄れて、背景としてバックに馴染んでくれます。

実際、入道雲が一つだけある空はなかなか見ないため、入道雲ひとつだけでは不自然さを感じてしまうと思います。

伝わりやすい絵とは、「これってこうだよな」と誰もが認識している「こう」を描く絵のこと。言い換えれば、描きたい事象の記号の落とし込みです。

自分の頭の中にある「(入道雲って)確かこうだったよな〜」をうまく描き起こせると、グッとリアリティが増します。

馴染ませテクニック② 光の当たる部分は描かないで視線誘導をする

「視線誘導」をご存知ですか? 構図などをしっかり勉強した方は知っている言葉だと思います。

視線誘導とは、ある技法を駆使して見せたい部分を強調して見せる技術のことです。
今回は詳細は省いて、それをどのように入道雲に使うのか紹介します。

画像の②にもあるように、明るい部分と同じ色をエアブラシ等でのせて、光が最も当たっている部分のコントラストを下げます。陰影の量を減らすとも言い換えられます。
写真でいうと白飛びのようなイメージです。

「せっかくちゃんと描き込んだのに、なぜ隠すようなことをしてしまうの?」その答えは、ズバリ視線誘導です。

「一部だけ描き込み量が少ない」と、人間は自然とその部分に注目して見ます。
明るい部分の描き込みを減らすことで、光が当たっている部分に目がいき、一枚の絵の中に「見どころ」「主役」ができます
それにより、見栄えがよいと感じられやすくなるのです。

また、そうすることで背景ののっぺり感が減り、遠近感が出て、背景が背景として生き出します
それにより、手前に主役を置きたい場合にも大変役に立ちます。背景を描くときは、私はこの方法を必ず使っています。

最初から明るい部分は描き込まないというやり方ももちろんよいと思います。
後からエアブラシを乗せるやり方は、最終的に全体の情報量がまとまり重厚感が出る気がするので、私はこちらを好んで使っています。

馴染ませテクニック③ コピペしてアレンジ!雲の表情を増やす

最後のテクニックは、手っ取り早く画面の情報量を増やしたい方向け。

一つしっかりした入道雲を描き、それをコピペして、一部を消したり描き足したりして簡単に新しい雲を作り出すという方法です。

この方法のメリットは、ゼロから描くよりも効率が圧倒的によいということです。

ゼロからの場合は、「アウトライン、色、光源…」と、また色々考えて処理しなければならないことがたくさんあります。
しかしコピペをしてしまえば、光源も全く同じですので、あとは不自然に見えないように描き足すだけです。

「練習のためにゼロから描きたい!」という方はそれがとってもいいと思います。

しかし、「不自然に見えないように」調整することもかなり観察眼がいる作業です。
あえて「練習のためにコピペする!」ということも、私的にはとってもオススメです!

⑥まとめ

いかがでしたか? 今回のまとめは以下の通りです。

  1. 雲の塊を意識して線画を描く。影も決められたらベスト
  2. 写真などを参考に、雰囲気のいい配色を決める
  3. 光源と雲の塊を意識して描き込む
  4. 仕上げに手前や奥の雲を付け足し、イラストにあわせて視線誘導をする

以上です。
他の記事も今後公開予定ですので、あわせて読んでいただけると嬉しいです。お楽しみに!

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